*留萌信用金庫と留萌振興局との包括連携協定に基づく事業*
第10回留萌元気づくりセミナー
「地方創生セミナー in 留萌」を開催しました
留萌地域が将来にわたって元気であり続けるための「地方創生とは何か」を 地域が一体となって考え、今後の地域づくりに向けた新たな取組を始める契機とするため、 地方創生セミナーを開催しました。 |
|
■ 日 時 平成27年12月7日(月) 14:00~17:00
■ 場 所 留萌合同庁舎 2階 講堂(留萌市住之江町2丁目1番地2)
■ 内 容 テーマ : 「持続可能な留萌地域の“まち・ひと・しごと”づくり」
~2040年のオロロンラインに向けて~
講 師: 藻 谷 浩 介 (もたに こうすけ) 氏
<講師プロフィール>
山口県生まれの51歳。
平成合併前3200市町村すべて、海外72ヶ国をほぼ私費で訪問し、地域特性を多面的に把握。
近著に、『しなやかな日本列島のつくりかた』(新潮社、7名の方との対話集)、
第七回新書大賞を受賞した『里山資本主義』、『デフレの正体』(共に角川Oneテーマ21)などがある。
人口成熟問題や中心市街地、産業振興、地域金融、観光振興、地域再生などをテーマに
累計約5,000回の登及び番組出演。
<講 演>
1 人口減少・空き家について
・人口減少が問題視されているが、総人口から見た施策ではなく、子どもや高齢者、生産年齢人口別
の推移を見ながらの対策が必要である。
・田舎は空き家が多いという先入観があるが、マンションの建設が進む大都市圏のほうが
空き家は多い。
・人口が減っていない地域は、長年かけて努力し、雇用が増えたからである。
また、減少した原因が交通が不便・工場が誘致できない
・景気が悪いというものではないとわかって行動しているため
2 留萌・道内市町村・東京都の人口の動向等について
・留萌市は、あと30年少々で現役世代(15~64歳)がゼロ、60年少々で人口がゼロになるペース
で急速に人口減少が進んでいる。
・札幌市は、10年間で人口7,000人の増加に対し、高齢者は10万人増加している
・東京都は、オリンピックまで全国から若い人が流れ込み、人口は増えるが、現役世代は減少が
続いており、高齢者は増加していく。
・西興部村は地道に努力を続けており、人口が減らない自治体に入っている。
・年齢階層別人口の動向における、留萌市の高齢者・現役世代の増減率は、
小樽市と近い数値にある。
・猿払村は、漁業を中心に行う市町村の中で唯一人口が減っておらず、取り組みの方法が
優れているからである。
3 留萌地域の活性化について
・活性化につながるヒントは「地消地産」であるが、あきらめている人が大半であり、
それ以前に産業の努力が必要である
・地域の主要産業である水産加工業が20年前に比べて4分の1になっており、
産業の分野を変えるなどの工夫が必要である。
また、従事者にも問題があり、原材料を加工せず生で安く地方に販売するなど楽な方向に動くと
人口は増えない。
・地域内でお金を循環させる仕組みを整え、地域からお金が流出することを防ぐ。
・最大の策は、子どもを産んだ家庭を支援すること。
・1%でいいから地域内にお金が落ちるものを買い、お店は地元産の品物を置くこと。
・最大の競争力は病気にならない事(健康寿命が長い)であり、一人一人が生活習慣に気をつけるこ
とも大事。
4 他地域の取組
・ニセコ町は、道の駅の直売所の商品がすべて町内産と地消地産に取り組んでおり、現役世代の
人口が増えている。
・下川町は、木くずを砕いてチップにして役場や学校で暖房の燃料として利用し、浮いた暖房費で
中学生まで医療費を無料化した結果、移住者が増えた。
・島根県邑南町は、母子家庭誘致の取組と小児科医を24時間体制にしていることで出生率が2.6で
ある。
(札幌市は1.0台)
<質疑応答>
Q人口減少に向けて具体的な取組を教えてほしい。
・第1ステップとして、若い人を呼ぶこと。
若い人が出て行くことを防ぐには、地消地産を進めて地元の雇用を増やす。
また、小児科の医療体制をしっかりと整備することで、子育て世代を呼び込むことができる。
Q地域がより活性化するには?
・役所頼みが強い地域、役所との関わりが少ない地域は衰退している。
役所と住民等がほどよく協力しあい、地域を盛り上げること。
また、地域の人がどれだけ地消地産に取り組んでいるかが重要である。
Q札幌市で働き手がなくなると、人は地方へ流れてくる?
・札幌が衰退すると、北海道は成り立たず人口は減少していく。
札幌は、高齢者の急増や待機児童の増加により、子育てが難しい状況であるため、
周辺地域が子育て支援や環境づくりに取り組むことで、人口は増えていく。
地方創生の肝は「地消地産」であり「未来の地域のために、1%でいいから今よりも多く地域産の消費を伸ばそう」と、藻谷氏。
具体的な数字の分析と地域への思いがあふれる熱い講演は、参加者を引き込みました。