食のSTORY

   
 皆さんは、「るもい地域(増毛町、留萌市、小平町、苫前町、羽幌町、初山別村、遠別町、天塩町)」が、山海の幸に恵まれた美食の宝庫であることをご存じでしょうか。
 北海道北西部に位置する「るもい地域」は、日本海の新鮮な水産物とともに、緑豊かな山々や留萌川が織りなす肥沃な大地が育む農畜産物など多彩な食資源に恵まれ、地域の方々が、時に山や海、動物、植物といった様々な声に耳を傾け、それぞれが工夫を凝らしながら、素晴らしい「食」を生み出し続けています。
 『食のSTORY』では、こうした、“美味しいものづくり”を追い求めるプロ達が、素材と真摯に向き合いながら、さらなる高みを目指して、日々、苦労や努力を積み重ねている姿にスポットを当て、商品に込められた想いや新たな魅力を発信していきたいと思っています。

第3回 上田ファーム(苫前町)

上田ファーム

第3回は、苫前町の『上田ファーム』をご紹介します。

 北海道の北西部、留萌エリア中部に位置する苫前町は、近海で獲れる新鮮な海産物をはじめ、高品質な米やメロンなどの農産物にも恵まれた自然豊かな町であり、また、道内有数の風の強さを活かして、いち早く風力発電に取り組むなど、クリーンエネルギーの先駆的な自治体でもあります。
 上田ファームの社長である上田卓司氏は、苫前で生まれた後、進学のため、当地を離れ、自身の成長のため道外で会社員として8年ほど勤めた後、20歳の頃に決めた「将来は実家の農家を継ぐ」という初心を実現させるべく苫前に戻り2014年に就農しました。当初は、会社員時代には難しかった「自分がやりたいようにできる」ことに楽しさや面白さを感じることが多かったようですが、いざ本格的に農業に向き合ってみると、馴染みのない農業用機械の扱いや、刻々と変化する天候への対応など戸惑いの連続だったといいます。 

農家の五代目として

畑

 上田家と農業の関わりは、明治時代に富山県から入植した甚佐氏に始まり、現在の卓司氏で五代目。百年以上にわたり、この地の風や土と向き合い、大切に作物を育ててきました。
 幼い頃から苫前の雄大な自然と向き合いながら真摯に農業に取り組む家族の姿が身近であったとのことですが、子どもの頃に農作業の手伝いをした記憶はあまりないといいます。両親からは、農業を継ぐように言われたことはなく、意思を尊重してくれたとのことで、旭川の農業高校から筑波大学に進学し、その後、大学院に進んでイネの研究に没頭しました。一方で、自らの代で実家を無くすわけにはいかないとの思いから、20歳の時に将来は実家の農業を継ぐことを心に決めました。ですが、自身の将来を考えた時、新たなチャレンジや農家とは異なる経験をして、視野を広げておくことも大切であると考え、まずは民間企業への就職を選択しました。
 イネの研究をしていたので、当初は種苗会社への就職を希望していましたが、内定したのは製薬会社、その時も両親は何も言わずに就職を後押ししてくれたとのこと。製薬会社では、それまでの研究や農業とは直接関連のない医薬品の開発などを経験しましたが、農業以外の仕事を見てきたことで視野が広がり、今の上田ファームの経営、そして自分自身にも良い影響を与えているといいます。
 現在は、農協への出荷をベースにしながらも、さらに一歩進んで、商品開発や販売、雇用、地域振興などにも目を向けて、地元の方々と協力しながら取り組みを進めています。

家族とともに

かぼちゃ畑

 現在、上田ファームでは、家族を中心とした農業を進めています。家族ならば、いつも同じ方向を向いて農業に取り組んでいるので、問題意識や目標をすぐに共有できたり、新たな取り組みをスピーディーに実施したりと、自身の理想の経営を行うには適しているといいます。
 生まれ育った苫前への思いは強く、一度、外に出た経験が、愛着をより強くしているとのこと。また、「会社員時代に出会った妻は、当初、農業経験がまったくありませんでしたが、今では、思いを共有して一緒に農業に取り組んでくれていることに感謝している」と家族への想いも忘れません。
 そして何より、自分が実家の農業を継ぐことで、この地で百年以上にわたり続けてきた農業がなくならなくてよかったと振り返ります。農業についてはまだまだ学ぶことが多く、勉強中であるとのことですが、上田ファームの製品を楽しみにしてくれる消費者の方をはじめ、多くの人に支えられながら、家族とともにこの地で農業ができることに感謝しているといいます。

世界基準の農業を目指して

 上田ファームは、消費者の皆さんに安心安全と美味しい笑顔を届け続けるため、「持続可能な農業」を目指しています。「持続可能な農業」とは、環境に負荷をかけず、自然の力を生かした農業をいいます。農業の基本である「土づくり」「田・畑づくり」を進める上では、「持続可能な農業」を実践しつつ、作物の特性にじっくりと向き合い、作物の美味しさを最大限引き出すように心がけています。また、気象条件の変化を見極めて、作物や畑にとって最高の状態となるようしっかり状況を観察するようにしています。

水田

 現在、上田ファームでは、「持続可能な農業」を実践するため、「クリーン農業」に力を入れています。「クリーン農業」は環境保全型農業とも言われ、堆肥などの有機肥料を使用することで、農業の核となる健康で良質な土づくりをおこないつつ、農薬や化学肥料の使用を最小限にとどめる農業技術です。「クリーン農業」に取り組む農家は少しずつ増えてきましたが、上田ファームでは、そこから一歩進んで国際的な生産者認証の取得を目指して取り組んでいます。代表的なものとしてはグローバルGAP(GLOBALG.A.P)がありますが、これは、食品安全、労働環境、環境保全に配慮した「持続的な生産活動」を実践する優良企業に与えられる世界基準の認証として世界120カ国以上で普及しているものであり、国内外の大手小売業等が食材調達の基準として採用しています。こうした国際的な認証取得により、生産物の評価上昇や世界各国にある基準採用企業への販路拡大などが期待されます。

加工品への展開

かぼちゃ

 農家を継ぐ前から加工品に興味を持っていたとのことで、いわゆる「6次産業化」のように生産から一歩、二歩進め、さらに加工、販売までを一括した枠組みを構築して、農産物そのものにとどまらず、新鮮な農産素材を活かした加工品の形でも、消費者の皆さんに安心安全な美味しさを届けたいと考えています。

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 2014年に就農した当初は、仕事を覚えることで精一杯だったとのことですが、2年たった頃、少し余裕が生まれてきて、自分のやりたいことを実現したいと考えるようになってきたといいます。そして、埼玉県に住んでいた頃に近所の人が北海道の郷土料理である「かぼちゃ団子」を知らず、ショックを受けたことを思い出し、自分が生産した美味しいかぼちゃで「かぼちゃ団子」を作って全国の皆さんに食べていただきたいと思い立ちました。
 その後、試作した商品は、2016年に苫前町内のコンビニや道の駅、札幌のアンテナショップでのテスト販売を重ね、非常に好評だったため定番商品となりました。今では上田ファームの看板商品にまで成長し、2020年には、「かぼちゃ団子(プレーン)」が、一流シェフやカリスマバイヤーといった食の専門家の方々が選ぶ道産加工食品のトップランナーである「北のハイグレード商品」に認定されました。

玄米茶

 現在、上田ファームでは「かぼちゃ団子(プレーン、チーズin、あんこ入り)」をはじめ、2019年からは、自慢のかぼちゃを贅沢に使った「かぼちゃプリン」の製造、販売もしています。また、かぼちゃ以外の分野では、甘味や旨味がくっきりとした埼玉県の狭山茶と食味の高さが自慢のゆめぴりか玄米をあわせた「玄米茶」の販売も開始しています。
 さらに、廃棄されるかぼちゃの皮を有効活用できないかと、現在、「かぼちゃの皮チップス」の試作を進めているほか、かぼちゃを使ったクッキーも考えています。かぼちゃ以外にも、玄米とチョコレートの組み合わせや大豆のお菓子への活用など、今後、商品数を徐々に増やしていく予定です。

地域の未来のために・・・

パン

 都会で当たり前のものが地元にはまだないという点で考えると、地方には都会以上にビジネスチャンスがあるとも言えます。例えば、苫前町の古丹別地区にはベーカリーがなく、パンはスーパーやコンビニで買うしかありませんでしたが、ご存じのとおりこれらのパンは焼きたてではありません。そこで、地域の人たちに焼きたてのパンを味わってほしいと考え、上田ファームでは毎週火曜日、木曜日に焼きたてのパンを日替わりで10種類ほど提供しています。現在では、毎週きまって買いに来てくれる地元の常連さんもできたとのこと。
 こうした様々な取組の根底には、「地域の発展に貢献したい」という強い思いがあります。最新の技術を取り入れて農業生産を持続可能なものにすることはもちろんのこと、加工品の売り上げを伸ばして、将来的には農業と加工品の収益が1対1ぐらいにできればといいます。そうすることで、収入が増えて更なる設備投資ができるだけでなく、地域の雇用や若者の就農の後押しなどにもなっていくと考えています。今後も地域と繋がりながら、先進的な農業や加工品を通じて、苫前町を全国に発信していきたいと力強く語ります。今後もどんなことに取り組んでいくのか期待が膨らみます。

こだわりの逸品たち

 上田ファームこだわりの逸品の一例をご紹介します。
 店舗だけでなく、通販サイトからも購入できますので、ぜひご賞味ください。

  • かぼちゃ団子(プレーン・チーズin・あんこ入り)

かぼちゃ団子3種類

○ みんな大好き北海道の郷土料理
  食べやすい一口サイズ
○ 2020年の『北のハイグレード食品』に認定
○ 煮る、焼く、揚げるなど、お好みに応じた食べ方ができますが、一番のおすすめは「素揚げ」

  • かぼちゃプリン

かぼちゃプリン

○ 低農薬でていねいに育てた自慢のかぼちゃを
  贅沢に使った濃厚な味わいのプリン
○ しっとりときめ細かく滑らかな食感で、
  カラメルソースにもかぼちゃを使っています
○ 原料からすべて手作りで安心・安全

  • ゆめぴりか玄米茶

○ 特別栽培の「ゆめぴりか玄米」と甘味・旨味がくっきりとした埼玉県「狭山茶」が共演した
  まろやかで香ばしく吞みやすい玄米茶
○ ゆめぴりか玄米が80%を占めているのが香ばしさの秘密

玄米茶

今回ご協力いただいたのは

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第2回 田中青果(留萌市)

田中青果

第2回は、留萌市の『田中青果』をご紹介します。

 北海道の北西部、日本海沿岸に位置する留萌市は、古くからニシン漁とともに発展し、夕陽などの美しい景観や美味しい海の幸で知られており、現在も、数の子の加工生産量日本一を誇る港町です。
 田中青果で取締役を務めている田中美智子氏は、留萌で生まれた後、父親の転勤に伴って道内各地で暮らしてきましたが、いずれは一番好きな留萌に戻りたいとの気持ちを抱いていました。学校卒業後、念願叶って留萌で働き始めましたが、その後も、何か商売を始めることで、この地に根を下ろし、ずっと暮らしていきたいとの思いを強くしていました。そんなとき、老舗八百屋の後継者で後に社長となる田中欽也氏と出会い、結婚したことが大きな人生の転機になったといいます。

老舗八百屋の挑戦

 今では漬物のイメージが強い田中青果ですが、もともとは1931(昭和6)年に創業した田中商店を前身とする老舗八百屋で、戦前・戦後そして高度経済成長期にかけ、道内各地から野菜や果物を仕入れて、近隣の官公庁や病院、一般家庭まで届ける、まさに市民の台所として地域を支えてきました。

昭和40年代の田中青果

 1970年以降(昭和40年代後半から)は、小売販売のスタイルが専門店(八百屋など)から量販店(スーパーマーケットなど)へと徐々に移り変わり、これまで続けてきたビジネスモデルに変化が求められるようになる中、先代社長は、店頭で残った野菜を「浅漬け」や「なます」など、ひと手間を加えて販売し好評だった自身の経験から、留萌で馴染み深く、多くの家庭で漬けられていた「にしん漬け」の商品化を思い立ち、1974(昭和49)年に田中青果内に「漬物部」を創設して、漬物の事業化に乗り出しました。

現在の田中青果とにしん漬け

 当時、留萌では「にしん漬け」をはじめとした漬物は、「家庭で作るもので、買って食べるものではない」との意識が根強く、商品販売することに懐疑的な声も多かったといいますが、先代社長は、息子である現社長を信じ、漬物事業を託しました。
 現社長は先代の期待に応えようと、そしてやるならば北海道のソウルフードである「にしん漬け」を広く発信し、漬物という食文化を未来にも伝えていきたいと考え、美智子氏とともに、二人三脚で研鑽と試行錯誤を重ねました。
 当初、「家庭のもの、家族のもの」というイメージがある漬物が商売になるとは想像しにくかったとのことでしたが、長い年月をかけ、様々な苦労の末、商品化を実現して販売が軌道に乗った今、田中青果の売り上げの約8割を漬物とその関連商品が占めるまでに成長しました。
 時代によりお客様の志向や商売を取り巻く環境が変わっていく中、あの頃、本気で漬物と向き合っていなかったら、今は全く違う状況だったかもしれないと振り返ります。

手間を惜しまない伝統の味づくり

にしん漬け

 発酵食品である漬物は「生きもの」です。天候や素材など様々な要素を考慮し、細心の注意を払っても、思うようにならないことがあるなど、非常に奥が深い食べ物です。
 冬の留萌は最高気温がマイナスとなる日もあり、生活には大変な季節となりますが、その厳しい寒さのおかげで、低塩のまま長期にわたりじっくりと漬け込みができるなど、漬物づくりには適した環境となります。
 冬に樽から出した漬物は半分凍っていますが、食べるとシャリシャリとした独特の食感で、凝縮された旨味が溶けながら口の中で広がっていく体験ができるのは北の大地ならでは。厳しい冬を逆手に取り、漬物という食文化を育んできた先人たちの知恵には感動するばかりです。

パッキング

 もともと八百屋である田中青果は、野菜の目利きには絶対の自信を持っており、「その時期に一番おいしい野菜を旬の場所から」をモットーに、卸売市場で特に品質や鮮度にこだわるのはもちろんのこと、生産者の方々との交流を深め、産地から直接仕入れることにも取り組んでいます。
 田中青果では、発酵食品である漬物が最も美味しい状態となるよう、漬物の香りや発酵する際の音、温度や手触りなど、五感を研ぎ澄ましながら漬物に寄り添い、一つ一つ状態を確認しながら漬け込んでいきます。これらはすべて昔から変わらない職人の手仕事で、素材の良さを最大限に引き出すために大切にしていることです。
 また、漬物の旨味が増すように、下漬から十分に乳酸発酵させた後に本漬をするという、時間と手間をかけた独自製法を守っており、食べる頃に最高の美味しさとなるよう、菌と「対話」しながら状態を確かめて出荷をしています。
 こうした漬物作りへの想いは、田中青果が理念として掲げている「心象風情極めるが如し」という言葉で現されており、漬物を食べたとき、口に広がる懐かしい味わいだけではなく、留萌の自然や風景、人の温もりまで感じられるようにとの願いが込められています。これからも、そうした味や香りといった五感を超えた「第六感までにも響く漬物を作り続けたい」と考えています。

食文化としての漬物を守り、伝えていく

田中青果店内

 多くの家庭で漬物を作るのは昔の話となり、親から子へと伝えられてきた漬物という食文化は、このまま何もしないと失われていくことになるのかもしれません。留萌に伝わる「にしん漬け」をはじめとした食文化としての漬物を守り、後の世代に伝えていくこと、そして、このように食文化の一翼を担えることが漬物づくりの大きな魅力の一つであるといいます。
 また田中青果では、食文化を伝える活動の一環として、毎年冬、地域の方々を対象に「にしん漬け教室」を開催しており、参加した子ども達からは「懐かしい味がする」との感想も聞かれます。普段は、あまり馴染みがなくても、地域の子ども達のDNAにはそうした味の記憶が脈々と受け継がれているのかもしれません。

現在そしてこれから・・・

ピクルス1

 田中青果は、漬物以外でも、青果専門店としての知識や経験、ネットワーク、ノウハウなどを生かして、ピクルスやソースといった商品開発にも取り組んでいます。
 特にピクルスは、保存料や着色料を使わず、甘みを入れる際にも蜂蜜など自然の味わいを大切にし、低温で徹底管理して塩分を抑えることで、見た目に美しく、かつ健康にも配慮した商品として仕上げており、2014年には一流シェフやカリスマバイヤーといった食の専門家の方々が選ぶ道産加工食品のトップランナーである「北のハイグレード商品」にも認定されるなど、その美味しさは折り紙付きです。

ピクルス2

 今後とも、新たな魅力を持った商品開発を進めることで、漬物とは違う味わい方や使い方、見せ方を提案し、野菜の魅力をさらに発信していきたいと考えており、「古きを新しく」をコンセプトに、ピクルスなど若い世代にも関心を持ってもらえる商品をきっかけとして、多くの方々に田中青果を知ってもらい、ゆくゆくは漬物にも興味を広げて、味わってもらいたいとのこと。
 また2019年には、これまでの商品開発で培ってきた経験や野菜ソムリエとしての知識を実践する場として、留萌本店と隣接した場所に、カフェ「Love Vegetable Tanaka」をオープンし、野菜や果物の新たな味わい方や楽しみ方を積極的に発信しています。
 さらに都市部では、札幌で直営の3店舗(札幌三越店、札幌エスタ店、新札幌サンピアザ店(2021.10.1オープン))を運営するとともに、全国の北海道物産展にも積極的に出展しており、漬物を通じて北海道や留萌を感じ、当地の食文化も知って欲しいと思っています。
 また遠隔地の方々にも気軽にお買い求めいただけるようインターネットを活用した通信販売にも取り組んでいますが、田中青果では店舗における対面販売をとりわけ重視しています。「漬物」という食文化を伝え広めていくためには、店舗に来ていただいた方に説明し、試食してもらい、納得してから買っていただく、このことがお客様を広げ、結果として「食文化を伝える」ことにも繋がっていくのだと考えています。
 北海道伝統の食文化を守りながらも、常に進化と挑戦を続ける田中青果。今後は、どんな新しいことに取り組んでいくのか目が離せません。

こだわりの逸品たち

田中青果こだわりの逸品の一例をご紹介します。
店舗だけでなく、通販サイトからも購入できますので、ぜひご賞味ください。

  • にしん漬け

にしん漬け

○ 留萌が誇る北海道の「ソウルフード」
○ 手間をかけた昔ながらの製法にこだわり、ひとつひとつ手作り
○ そのまま食べることはもちろん、発酵の進み
  具合に合わせて、鍋に入れたり、醤油漬けに
  したり、オイルソースにするなど、様々な味が楽しめる

  • ピクルス

ミックスピクルス

○ 野菜と漬物のスペシャリスト田中青果が贈る逸品
○ 2014年度の『北のハイグレード食品』に認定
○ 味はもちろんのこと、おしゃれな見た目にもこだわった様々な種類のピクルスをご用意

  • 万能ソース

万能ソース

○ にしん漬けオイルソースと数の子タルタルソースの2種類をご用意
○ そのまま野菜に付けてもよし、お料理に合わせてもよし、万能で使えます                                            ○ にしん、数の子など古くからある食材の可能性を最大限に引き出して、新しい野菜の食べ方、
  楽しみ方を提案するだけでなく、料理の可能性を更に広げます

今回ご協力いただいたのは

住所  北海道留萌市栄町2丁目4-24

       (JR留萌駅前南交差点角)

営業時間  10:00~18:00 (土日祝 9:00~18:00) 不定休

電話  0164-42-0858

商品購入

   ・インターネット販売サイト  https://yanshu-tanaka.shop-pro.jp/

   ・直営店

       札幌三越店 (札幌三越地下1階食品売り場内

       新札幌サンピアザ店 (新札幌サンピアザ地下1階)

       フィール旭川店(フィール旭川地下1階)

       増毛店(季節営業4月下旬~10月上旬

  ※ このほか、北海道物産展などで取扱がある場合もありますので、お問い合わせください。

カフェ Love Vegetable Tanaka(ラブ ベジタブル タナカ)  店内飲食

 

 ✓ 住所  北海道留萌市栄町2丁目4-28(留萌本店に隣接)

 ✓ 営業時間  11:30~18:00(日曜日の他不定休/冬季休業)

 ✓ 電話  0164-42-0858 内線17

 

第1回 宇野牧場(天塩町)

宇野牧場

第1回は、天塩町の『宇野牧場』です。

 るもい地域で最も北にある天塩町は、北海道の最北端である稚内市から南下した、日本海を望む人口約3千人の町であり、海からの潮風が草木に天然のミネラル分を運び、夏に冷涼な当地の気候は、暑さに弱い牛を育てるには最適な場所です。
 宇野牧場の代表、宇野剛司氏は、この天塩の地において、これまでの酪農の常識にとらわれない新たな考えや技術を積極的に取り入れ、牧場から生み出される高品質な生乳を活かした極上の商品づくりに取り組んでいます。

放牧経営との出会いが人生の転機

放牧酪農

 牧場の三代目となる宇野氏は、当初、重労働のイメージがある酪農を継ぐことはあまり考えていなかったそうですが、進学先の大学において、ニュージーランドでは一般的な「放牧酪農」に出会ったことで意識が一変。自ら実践すべく天塩に戻ってきました。
 放牧酪農は、牛舎や人工飼料で生産効率を追求する一般的な酪農とは異なり、広大な土地での放し飼いを基本とし、牧草のみを食べて育ちます。こうした飼育方法はストレスを軽減し、健康な牛づくりを促進するばかりではなく、酪農家にとっても、放牧により牛を世話する負担が軽減し、時間的にも余裕のある働き方につながるといいます。

最高品質は土づくりから

のびのび過ごす牛

 良い牛乳をつくるには、牛にとって良い環境であることが大切です。
 宇野牧場では、牛が食べたくなる牧草を育てるために、長い時間をかけて土づくりから取り組んでおり、良い土があるから良い牧草が育ち、良い牧草を食べることで良い牛となり、最高の牛乳が生まれると考えています。人工的な飼料を使わずに牧草だけを食べて育った牛からとれた牛乳は、いわゆる乳臭さがなく一般的な牛乳とは全く違うといいます。それは牛乳に含まれている栄養成分にもはっきりと現れているとのこと。
 東京ドーム40個分の広々とした敷地の中に約120頭の牛が、のびのびと自然の中で過ごしており、こうしたこだわりの環境から高品質な牛乳が生まれています。

現在、そして可能性

カフェ

UNO CAFÉ 牧場カフェ  11:00~16:00/不定休
敷地内に併設したカフェでは、新鮮な生乳を使った乳製品や雄大な景色が楽しめます

 放牧経営といっても当初から順調だったわけではありません。今では、軌道に乗り、安定して高品質の牛乳生産ができるようになったとのことですが、そこに至るまでに様々な苦労や努力を重ねてきたといいます。
 また、放牧経営で生み出された時間的なメリットを活かそうと、牧場で生産される高品質な牛乳を使った加工品づくりや、それらを実際に味わってもらうためのカフェ運営にも取り組んでいます。
 さらに最近では、酪農へのドローン活用も始めており、現在は、主に牧草の生育状況の把握に使っているとのことのですが、将来的に牧草の種類や栄養成分までわかるようになれば、生産効率のさらなる向上が期待できるといいます。
 また、新たに自社の牛乳を使ったチーズの商品化に取り組んでいるほか、国内での牛乳需要の減少を補うため、他事業者と連携しながら、冷凍技術を活用した輸出も考えており、将来的には、コストなどの課題をクリアして海外展開を目指したいとのことです。

カフェからの景色

カフェからは、こんな景色が

こだわりの逸品たち

ここでは、宇野牧場から生まれた商品の一例をご紹介します。
まだ体験したことのない方は、ぜひお試しください。(通販サイトからも購入可)

  • トロケッテ・ウーノ  ~ヨーグルトや牛乳とは違う不思議な食感~

トロケッテウーノ

(右側)トロケッテ・ウーノ
トロッとした優しい飲み口で、ほんのりと甘いミルクスイーツ

○ 見た目は飲むヨーグルトのようですが全くの別物、昔から酪農家で作られていた「牛乳豆腐」をヒントに考案
○ 牛乳豆腐で使う酢の代わりに「にがり」を使用することで、ミルク本来のくせのない優しい甘みが味わえる
○ プレーン、いちご、あずき、ハスカップ、抹茶の各フレーバーが展開され、「あずき」がおすすめとのこと

  • 宇野牧場史上 最高峰の牛乳 に辿り着きました ~自然の牛乳は季節で味が違う~

最高峰の牛乳

最高峰の牛乳
全てにこだわって作られた自慢の逸品。季節による味の違いを試してみたい

○ 自社の牧草だけで育った牛による最高品質の牛乳
○ 栄養価の高い春夏の青草を食べた牛のミルクはフルーツ並みの甘さ、冬の発酵干し草を食べた牛のミルクは濃厚な味わいになるとのこと
○ 牧草のみで育った牛からとれるミルクには、健康に良いとされるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれているとのこと

特製ソフトクリーム

UNO CAFÉのほか、物産展などで買えるモコモコのソフトクリームもぜひ

これから・・・

 放牧酪農には、まだまだ大きな可能性があると考えています。日本の酪農は世界と比べ遅れていると言われる部分もありますが、少しずつでも前に進んでいくため、人とのつながりを広げ、新たな可能性にも挑戦しながら、信念を持って取り組んでいきたいと語ります。
 自らが信じたやり方で最高品質に挑戦しつづけている宇野牧場、今後も、どんなことに取り組んでいくのか楽しみです。

今回ご協力いただいたのは

宇野牧場白いドームが目印

✓ 住所  北海道天塩町字サラキシ2015-2

  (旧更岸小学校近く、国道232号線から見える白いドームが目印)

✓ 電話  01632-2-3218(平日 10:00-16:00)

✓ 商品購入

   ・インターネット販売サイト  http://shop.unomilk.jp

   ・宇野牧場カフェ

   ・「道の駅てしお」売店

   ・「天塩の國」インターネット販売サイト など

   ※ このほか、北海道物産展などで取扱がある場合もありますので、お問い合わせください。

     

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