「ゼロカーボンるもい」推進ネットワークキックオフセミナーを開催しました

「ゼロカーボンるもい」推進ネットワークキックオフセミナーを開催しました

 留萌振興局では令和4年3月2日(水)に、「ゼロカーボンるもい」推進ネットワークに参加する企業・団体等を対象として「ゼロカーボンるもい」推進ネットワークキックオフセミナーを開催しました(zoomによるオンライン開催)。
 当日は、旭川地方気象台・苫前町・石狩市から講師を迎え、21世紀末の留萌地方の気候変動予測、苫前町におけるゼロカーボンの取組、石狩市における再エネの地産地活の実現による地域振興について、それぞれ講演いただきました。

内容

講演① 21世紀末の留萌地方の気候変動予測

講師:旭川地方気象台 地震津波防災官 向井伸夫 氏

【講演主旨】
 大気中の温室効果ガス濃度は長期的に増加しており、北海道の平均気温は100年あたり1.63℃の割合で上昇している。今後、気温上昇のほか短期間強雨の発生頻度の増加や年最深積雪の減少が予測される。

講演② 苫前町におけるゼロカーボンの取組について

講師:苫前町長 福士敦朗 氏

【講演主旨】
 やっかいもの扱いだった強い風を有効に利用できないかと考え、風力発電事業に取り組んできた。年間発電量は3万4000世帯の電力量に相当。
 今年1月24日にゼロカーボンシティを宣言。脱炭素推進条例の制定や温暖化対策実行計画の策定を進めている。
 苫前町の近未来ビジョンは、送電網増強によりマイナスカーボンを推し進めるほか、風力エネルギーを農業・漁業などの地場産業に利用する再エネの地産地消。子や孫、その先の世代まで、この地球で生き続けていける環境を再生させていくことが現代に生きる我々の責務。

講演③:石狩市における再エネの地産地活の実現による地域振興

講師:石狩市 企業連携推進課長 堂屋敷誠 氏

【講演主旨】
 石狩湾新港地域において再生可能エネルギー(以下「再エネ」という。)が多く集積している。企業誘致を進めていく時に地域の価値として再エネを地域で活用できると産業の脱炭素化につながる。これを地域の強みにしていきたい。
 石狩市が目指している再エネの地産地活は、地方部にある電力に需要家を近づけていく取組。再エネの豊富な石狩湾新港地域で需要を創出し、近距離での送電とすることで、系統整備は最小限で抑えられ、地域で新たな産業の集積を目指すことができる。先導的なグリーントランスフォーメーション(GX)の推進地域を目指し、脱炭素の実現と同時に産業の成長・発展につながる取組をしていく。
 地域の再エネをRE(Renewable Energy)ゾーン(約100ヘクタール)に送配電する仕組みの構築を目指している。電源はベースロードとして木質バイオマス発電を活用する方向で検討している。将来的には風力発電、太陽光発電など、自然変動電源の活用も考えているが、そのためには変動分の調整をしなければならない。その調整力としては蓄電池のほか水素やアンモニアの製造、調整機能を有する需要家・産業として、植物工場やモビリティビジネスの導入も合わせて検討している。また、再エネの大口需要家として、データセンター事業者の誘致を進めていく方針。
 脱炭素化の取り組みを進めながら、地域のレジリエントな空間の創造を検討している。その一つが厚田地区にマイクログリッドを構築する事業。普段は系統電力と太陽光発電で公共施設5箇所に電力を供給し、余剰電力で水素を製造しておく。系統電力が使えない時は、太陽光発電や蓄電池、燃料電池を活用し、指定避難所の厚田学園(小中一貫校)に電気を供給する。電力系統が脆弱な地域で安心して生活できる基盤を作る意味では意義深い事業と考えている。
 産業界ではサプライチェーン全体の脱炭素化を求める動きが急速に進んでおり、地域企業の経営においても脱炭素が求められる流れが予想される。地域の脱炭素化は地域企業を守ることにもつながっていく。

当日の様子

キックオフセミナー視聴会場

視聴会場(留萌合同庁舎2階講堂)

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