C型肝炎について

 

 

C型肝炎について


 

平成13年4月

<作  成>
厚生労働省

 

目次

 

「C型肝炎について~一般的なQ&A」について           

【簡易版】

Q1:C型肝炎とは?        

Q2:C型肝炎の原因は? 

Q3:C型肝炎ウイルスはどのようにして感染しますか?        

Q4:C型肝炎ウイルスは輸血(血液製剤も含む。)で感染しますか? 

Q5:C型肝炎の症状は? 

Q6:C型肝炎の検査法は?        

Q7:C型肝炎の治療法は?        

Q8:C型肝炎ウイルス感染の予防法は?    

Q9:C型肝炎になると肝硬変や肝がんになりますか?        

「C型肝炎について~一般的なQ&A」について

 

我が国のC型肝炎の持続感染者は、100万人から200万人存在すると推定されていますが、自分自身が感染していることを自覚していない者が多く、さらに近年の知見によれば、感染者の中から肝硬変や肝がんへ移行する可能性があることが分かってきました。

厚生労働省は、外部の専門家からなる「肝炎対策に関する有識者会議」を設置し、平成13年3月に専門の立場からC型肝炎を中心とした今後の肝炎対策の方向性について報告書をとりまとめていただきました。この中では、最近急速に知見が集積されてきたC型肝炎について、国民向けのQ&Aを作成し、わかりやすい知識の普及を行う必要性を指摘されています。

国民の方々が、C型肝炎に関する正しい知識を身につけることによって、病気の早期発見や重症化予防に結び付けることができるとともに、感染者に対する言われなき差別や偏見の除去にもつながります。

今回、厚生労働省では、「肝炎対策に関する有識者会議」の委員、財団法人ウイルス肝炎研究財団に所属する肝炎の専門家、社団法人日本医師会感染症危機管理対策室などのご協力をいただきながら、「C型肝炎について~一般的なQ&A」を作成しました。関係機関のご協力も得ながら、広く国民への情報提供となるよう活用したいと考えています。

 

平成13年4月

 

【簡易版】

 

Q1:C型肝炎とは?

 C型肝炎は肝臓の病気です。

肝炎になると、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。

肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、重症化するまでは自覚症状の現れないケースが多くあります。これは本来肝臓がもっている予備能の高さに由来しています。このことを正しく認識し、症状がなくてもきちんと検査をして病気を早く発見することが大切です。

 肝臓の働きには、 

·          栄養分(糖質、たん白質、脂肪、ビタミン)の生成、貯蔵、代謝、

·          血液中の薬や毒物の活性化、分解、解毒、

·          出血を止める、

·          ホルモンの調節、

·          胆汁の産出と胆汁酸の合成

·          身体の中に侵入したウイルスや細菌と戦う、

などがあり、我々が生きていくためには健康な肝臓であることがとても大切です。

 

 

Q2:C型肝炎の原因は?

 C型肝炎はウイルスの感染によっておこります。

 ウイルスとは、細菌よりもっと小さな生物で、いろいろな病気の原因となります。例えば、インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によっておこります。ウイルスはヒトからヒト(動物からヒトへ感染することもありますが)へと感染します。C型肝炎を引き起こすウイルスは、C型肝炎ウイルスと呼ばれています。

 

 

Q3:C型肝炎ウイルスはどのようにして感染しますか?

 C型肝炎ウイルスは感染している人の血液が他の人の血液内に入ることによって主として感染します。

 C型肝炎ウイルスが感染するのは以下のような場合です。

·          C型肝炎ウイルスが含まれている血液の輸血等を行った場合

·          注射針、注射器を感染している人と共用した場合

·          C型肝炎ウイルスに感染している人の血液が付着した針を誤って刺した場合(特に、病院などで働く人たちは注意が必要です。)

·          C型肝炎ウイルスに感染している人に使用した器具を適切な消毒などを行わずにそのまま用いて、入れ墨やピアスをした場合

·          C型肝炎ウイルスに感染している人と性行為を行った場合(ただし、まれ)

·          C型肝炎ウイルスに感染している母親からの生まれた子供の場合(ただし、少ない)

 

 以下のような場合にはC型肝炎は感染しません。

·          C型肝炎ウイルスに感染している人と握手した場合

·          C型肝炎ウイルスに感染している人と抱き合った場合

·          C型肝炎ウイルスに感染している人とキスした場合(唾液では感染しません)

·          C型肝炎ウイルスに感染している人の隣に座った場合

·          C型肝炎ウイルスに感染している人と食器を共用した場合

·          C型肝炎ウイルスに感染している人と一緒に入浴した場合

 

                     

Q4:C型肝炎ウイルスは輸血(血液製剤も含む。)で感染しますか?

 平成4年(1992年)以前に輸血(や臓器移植手術)を受けたことがある方は、当時はC型肝炎に感染した血液か否かを高感度で検査する方法がなかったので、C型肝炎に感染している可能性があります。

 また、フィブリノゲン製剤の投与を受けた方(フィブリン糊としての使用を含む。)、又は昭和63年(1988年)以前に血液凝固第8、第9因子製剤の投与を受けた方は、C型肝炎ウイルスの不活化が十分になされていないものがありましたので、C型肝炎に感染している可能性があります。

 上記に該当する方は、主治医に相談し、C型肝炎の検査を受けましょう。

 

 

Q5:C型肝炎の症状は?

 C型肝炎ウイルスに感染していても症状がない場合が多くあります。一般的に症状が重いとされる急性肝炎の場合でも自覚症状がみられる人は2~3割程度で、全身けん怠感に引き続き食欲不振、悪心・嘔吐(おうと)などの症状が出現することがあります。これらに引き続いて黄疸(おうだん)が出現することもあります。他覚症状として、肝臓の腫大がみられることがあります。

 慢性肝炎の場合では、自覚症状のない場合が非常に多いと言われています。

 

 

Q6:C型肝炎の検査法は?

C型肝炎の検査のためには、まず血液検査をする必要があります。

血液検査では、C型肝炎ウイルスの遺伝子や抗原、抗体を調べ、C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを判定します。

また、肝臓の細胞が壊れたときなどに血液中に放出される肝臓の酵素(AST、ALT(かつてはGOT、GPTと呼んでいました。)など)を調べ、肝炎の活動度を判定します。

さらに、肝臓の生検を行うこともあります。医師が皮膚の上から針を使って肝臓を刺し、肝臓から非常に小さな組織片を採取し顕微鏡で観察し、C型肝炎の徴候や肝炎の進展度を判定します。

 

 

Q7:C型肝炎の治療法は?

 C型肝炎の治療薬には、現在、インターフェロンと呼ばれる薬があります。

インターフェロンは注射で投与します。現在、インターフェロンの標準的投与期間は6ヶ月とされています。インターフェロンの効果は、感染している人のウイルスの状態や肝炎の進展度等によって異なります。また、副作用があることも知られています。専門の医師の診断にもとづいて適切な治療を行う必要があります。

 

 

Q8:C型肝炎ウイルス感染の予防法は?

 まだ、感染予防のためのワクチンは出来ていません。しかし、C型肝炎ウイルスは感染力が非常に弱く感染予防は可能です。要は、感染している人の血液になるべく触れないことです。具体的には、以下のようなことに気をつけてください。常識的な社会生活を心がければ、感染することはないと考えられています。

·          注射器や注射針を共用しない。

·          歯ブラシ、カミソリなど血液が付いている可能性のあるものを共用しない。

·          他の人の血液に触るときは、ゴム手袋を着ける。

·          入れ墨やピアスをするときは、清潔な器具であることを必ず確かめる。

·          よく知らない相手との性行為にはコンドームを使用する。

 

なお、現在、献血された血液はC型肝炎ウイルスのチェックが行われており、ウイルスが含まれる場合は使用されていません。

C型肝炎ウイルスに感染している、あるいは感染の疑いのある場合、C型肝炎ウイルスの検査の目的での献血は決して行わないようご協力をお願いします。

 

 

Q9:C型肝炎になると肝硬変や肝がんになりますか?

 C型肝炎ウイルスに感染すると多くの人が持続感染の状態となるが、その内の多く人が慢性肝炎となり、その一部が肝硬変、肝がんへと進行すると言われています。

 C型肝炎ウイルスに持続的に感染している40歳以上の100人が、治療等をしなかったと仮定した場合、以下のようなデータがあります。

 65~70人が慢性肝炎

 20~30年後に10~16人が肝硬変

 この10~16人のうち、5~10人が肝硬変や肝がんで死亡

 

 しかし、適切な治療を行うことで病気の進展を止めたり、遅くすることができますので、C型肝炎ウイルスに感染していることが分かった人は、必ず医療機関を受診して病気の状態等の診断を受けて下さい。

 

厚生労働省健康局結核感染症課  〒100-8916東京都千代田区霞ヶ関1-2-2  電話:03-5253-1111  URL:http://www.mhlw.go.jp/  財団法人ウイルス肝炎研究財団  〒113-0033東京都文京区本郷3-2-5新興ビル7F  電話:03-3813-4077  URL:http://www.vhfj.or.jp/  社団法人日本医師会感染症危機管理対策室  〒113-8621東京都文京区本駒込2-28-16  電話:03-3946-2121  URL:http://www.med.or.jp/  

 

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