はじめに
これからの少子・高齢社会で、健康で生きがいのある地域社会を創ることは、留萌地域住民全ての願いであり、21世紀を見据えた総合的な健康づくり施策の推進が求められているところです。
平成12年3月、国から21世紀の健康政策の道しるべとして、「健康日本21」が示されました。
これに呼応し、北海道では、「すこやか北海道21」が策定され、この度、「留萌地域健康づくり行動指針」 ~けんこうを風にのせて~ を策定いたしました。
本行動指針は、留萌地域住民全てが健やかで心豊かに生活できることを目標に、留萌地域の状況を踏まえた上で健康目標を設定するとともに、既存の各種保健事業などの健康づくり対策に健康日本21の理念を導入するなど、新たな方策により、効果的な健康づくり対策を推進するものであります。
そして、関係機関や関係団体との連携のもと、地域住民の参加を得ながら、病気の早期発見・早期治療のみならず、子どもからお年寄りまで生活習慣病の予防を実践することから、全ての住民が健康で元気に生活でき、活力のある地域社会の実現を目指して参りたいと考えております。
今後、この行動指針が、各市町村における地方計画策定と関係団体の活動と地域住民の皆様の健康づくりに役立てていただければ幸いです。
最後になりましたが、本行動指針の策定にあたり、御検討賜りました「留萌地域健康づくり行動指針検討委員会」の委員の皆様をはじめ、貴重な御意見を賜りました留萌支庁関係各課の皆様に対し厚くお礼を申し上げます。
平成13年3月
北海道留萌保健所長 石 田 明
(1) | 行動指針の策定の背景 |
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近年、我が国は、生活水準の向上や医学・医療の進歩により、感染症等の急性疾患を減らすことができ、今や、世界有数の長寿国となっています。 しかしその一方で、がん、心臓病、脳血管疾患などの生活習慣病が増加し、寝たきりや痴呆など高齢化に伴う障害の増加と介護の必要な人々の増加は、深刻な社会問題となっています。 さらに、急速な出生率の低下により、人口の高齢化と少子化が進行し、病気や介護を支える人々の負担の増大が予想されます。 留萌地域においても、同様に深刻な状況となってきており、行政施策上の大きな課題となっております。 このため、地域住民の一人ひとりが病気や寝たきりなどにならないように、日頃から健康に留意したり健康づくりを実践することが必要です。 子どもからお年寄りまで、健やかで心豊かに生活でき、活力ある地域社会を創るため、従来にも増して、健康の保持・増進と疾病予防のための一次予防対策を強力に推進する必要があります。 (図1) |
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(2) | 行動指針の基本的考え方 |
「健康日本21」の基本は、全ての人々が健やかで心豊かに生活できる活力ある社会を創ることであります。 健康を実現するためには、個人の健康観に基づき一人ひとりが主体的に取組むことからはじめ、地域社会全体がこれを支援していくことが大切です。 「健康日本21」は、21世紀における健康運動として、健康寿命の延伸、壮年期死亡や要介護状態の減少に向け、2010年度をめざして具体的な目標を掲げ、住民一人ひとりと健康に関する全ての関係機関、団体等が一体となって、健康づくり運動を総合的・効果的に推進するものです。 |